こんにちは、アクティブレポーターのGOです。
群馬県には草津、四万、水上など名湯がたくさんありますが、私が「あ、今週末温泉に行こうかな」と思い立った時に、一番ふらっと行きやすいのが「伊香保温泉」です。
圧倒的な非日常感を味わえる草津温泉に対して、伊香保温泉の魅力はなんと言っても「ノスタルジックな昭和の匂い」にあります。都心からのアクセスも良く、日帰りでも一泊でも十分に楽しめる懐の深さがたまりません。
今回は、地元・群馬県民であり温泉通の私がおすすめする、伊香保温泉・石段街の王道にして奥深い楽しみ方をご紹介します。
365段の石段街は「休み休み」登るのが正解
伊香保のシンボルといえば、温泉街の中心を貫く「365段の石段」です。この段数には「温泉街が1年365日、繁栄するように」という願いが込められています。
ただ、我々シニア世代がこれを一気に登ろうとすると、確実に息が上がります(笑)。スポーツで鍛えた足腰があっても、油断は禁物です。
伊香保流の正しい石段の歩き方は、「ジグザグに寄り道しながら登る」こと。
左右に立ち並ぶ昔ながらの土産物屋や遊技場を覗き込み、「おっ、懐かしいものがあるな」なんて言いながら、休み休み登っていくのが一番です。
また途中、足が疲れてきたら「岸権旅館(きしごんりょかん)」さんの前にある無料の足湯「辰の湯」で一休みするのもおすすめ。
足先を温めるだけで、驚くほど全身がポカポカしてきて、残りの石段を登る活力が湧いてきます。
石段を登りながら気づくと思いますが、石段の所々に「小間口」があり、ここから温泉が流れている様子が見れます。
そしてこの「小間口」から温泉の管理を行っているのが「湯守」と呼ばれる職人です。湯守が『黄金の湯』『白銀の湯』の2つの源泉と複雑な配管を長年の経験と勘で管理しています。
大人が本気になれる「射的」「アーチェリー」と「スマートボール」
石段街を歩いていると、どこからともなくグループの賑やかな声が聞こえてきます。どこかなと思えば「射的」のお店からです。
以前のコラムでも少し触れましたが、地元の「ザスパ群馬」の試合を応援した帰り、友人と伊香保に宿泊したことがありました。
夕食後、浴衣姿で夜の石段街に繰り出したのですが……気がつけば、いい年をした大人たちが「射的」や「アーチェリー」に本気になっていました。

普段は真面目に生活しているシニアが、コルク銃を構え、的を射抜くアーチェリーに眉をひそめ、スマートボールのピンボールの動きに一喜一憂する。
景品(大抵はガムや小さなおもちゃです)が欲しいわけではないんです。あの「昭和の空間」にお金を払って、タイムスリップする感覚がたまらなく楽しいんですよね。
夫婦で点数を競い合ったり、仲間とワイワイやるには最高のエンターテインメントです。
伊香保の2つの名湯「黄金の湯」と「白銀の湯」
温泉通の端くれとして、伊香保の「お湯」についても少し解説させてください。伊香保には、全く異なる2種類の源泉があります。
一つ目は、昔から湧き出ている「黄金の湯(こがねのゆ)」。
空気に触れることで茶褐色に変わる独特のお湯で、鉄分を多く含んでいます。体の芯から温まるため「子宝の湯」とも呼ばれ、昔から親しまれてきました。
実はこの黄金の湯、石段街の奥にある飲泉所で飲むことができるのですが……これが日本一マズイと評判の「飲泉」なんです(笑)。
日本一マズイ飲泉

強烈な鉄の味(血の味とも言われます)がします。一口飲めば顔をしかめること間違いなし。
でも、胃腸には良いとされているので、話のネタに一度は挑戦してみてください。
この飲泉所から更に奥へと進んでいくと、伊香保露天風呂があります。伊香保源泉のすぐ近くの露天風呂なので、お湯が新鮮です。温泉の温度は少し温めなので、ゆっくりと長湯が出来ます。
伊香保温泉の源泉

また飲泉所の手前には「河鹿橋」があり、ここからの新緑や紅葉の季節の眺めは最高です。河鹿橋の補修が終了して、橋自体の色も鮮やかになりました。
河鹿橋

二つ目は、近年になって湧出した「白銀の湯(しろがねのゆ)」。
こちらは無色透明で、刺激が少ない優しいお湯です。高齢の方や病後の方、あるいは長湯を楽しみたい方にぴったりです。
伊香保で宿を選ぶ際は、どちらの源泉を引いているのか、あるいは両方楽しめる宿なのかをチェックするのが「ツウ」の楽しみ方です。
温泉まんじゅう発祥の地と、湯上がりの一杯
石段を登り切る少し手前の右側に「勝月堂(しょうげつどう)」さんがあります。
実はこの「勝月堂」さんの「湯の花まんじゅう」、これが日本全国の温泉地で見かける「茶色い温泉まんじゅう」の元祖だと言われています。
黄金の湯の色に似せて、黒糖を入れて作られたというこのお饅頭、蒸したての温かいものを石段に腰掛けて食べるのは、伊香保ならではの贅沢です。
伊香保温泉街での「湯の花まんじゅう」人気店

そして、石段の途中にある「石段玉こんにゃく」。鍋でグツグツと煮込まれた玉こんにゃくに、特製の醤油ダレが染み込んだあの香ばしい匂い……。
通るたびに、つい財布の紐が緩んでしまいます。からしをたっぷり塗って、フーフー言いながら食べるのが最高です。
そして最後は、もちろん「湯上がりの生ビール」。
温泉に浸かり、365段の石段を上り下りして程よく疲れた体に流し込む冷たいビール。これ以上の幸せがこの世にあるでしょうか。
【まとめ】「何もしない」ではなく「童心に帰る」伊香保旅
伊香保温泉は、ただ温泉に浸かってのんびり「何もしない」贅沢を味わう場所というよりは、射的や食べ歩きでアクティブに「童心に帰る」ことができる貴重な場所です。
地元のスポーツ観戦の帰り道や、少し遠くへ足を伸ばした遠征の締めくくりとしても、伊香保のノスタルジックな空気は旅の疲れを優しく包み込んでくれます。
今度の週末は、少しだけ時間を巻き戻しに、伊香保の石段を登ってみませんか?

