こんにちは、アクティブレポーターのGOです。
皆さんはテレビでサッカー日本代表の試合を観ている時、どんな風に過ごしていますか?
私はというと、ボールが前線で華麗に動いている最中、一人で「ラインを上げろ!」「カバーが遅いぞ!」とテレビに向かって叫んでしまう、少々「うるさい」観戦スタイルです(笑)。
実は私、大学時代にサッカー部で「右サイドバック(DF)」を務めていました。
引退してからも、試合を観るとつい「後ろの選手」の動きを追ってしまうのは、もう職業病のようなものですね。
今回は、そんな元DFの私が実践している「テレビ観戦が10倍楽しくなる通な見方」をご紹介します。
その前に、なぜ私がこれほどまでにサッカーにのめり込むようになったのか、少しだけ昔話をさせてください。
現地での観戦や遠征の楽しみについては、こちらの記事もどうぞ:
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私のサッカーの原点:釜本邦茂選手への憧れと、空白の中学時代

私がサッカーに興味を持ったきっかけは、小学生の頃に遡ります。
1968年のメキシコオリンピック。日本代表が銅メダルを獲得したあの快挙に、日本中が沸き立ちました。
当時、子供たちのヒーローだったのが、得点王に輝いた釜本邦茂選手です。
当時の少年漫画や雑誌では釜本選手の特集記事が組まれ、「太ももの太さが成人男性のウエストほどもある」「シュートの速度は時速100km以上(まるで新幹線のような凄まじいスピード!)」といった伝説のような話が躍っていました。
それを読んで、「なんて凄い選手がいるんだ!」と胸を躍らせたのを今でも鮮明に覚えています。
ウイングの杉山選手、ブラジルから帰化したテクニシャンの吉村選手、守護神の横山選手……。個性豊かなスター選手たちが揃った当時の日本代表は、まさに私の憧れでした。
その後、実業団の試合もテレビで放映されるようになり、私のサッカー愛はさらに深まっていきました。
しかし、当時は今ほどサッカー人気が定着しておらず、進学した中学校にはなんとサッカー部がありませんでした。泣く泣く諦め、中学時代は卓球部に所属。ボールを蹴る代わりにラケットを振る日々を過ごしました。
ところが、一度灯ったサッカーへの情熱は消えていませんでした。
大学に入ってから、「やっぱりもう一度、大好きなサッカーをやりたい!」と目覚め、本格的にサッカー部への入部を決めたのです。
そこで配属されたのが、点取り屋の釜本選手とは真逆のポジション、守備の要である「ディフェンダー(DF)」でした。
なぜ「ボールを追わない」ほうが面白いのか?
釜本選手のような派手なゴールに憧れてサッカーを始めた私ですが、いざDFとしてピッチに立つと、守備の奥深さに魅了されました。
テレビの中継カメラは、どうしてもボールがある場所を追いかけます。
でも、DF経験者の目線は、「カメラに映っていない場所」にあります。
一人が抜かれても、瞬時に2人目がカバーリングに入り、3人目がその穴を埋める……。
この連動した「組織としての守備」が決まり、相手の攻撃を完封した時の快感は、ゴールを決めるのと同じくらい、いや、それ以上にゾクゾクするものがあります。
最近の日本の選手たちは、技術レベルが私たちの頃とは比べものにならないほど高く、海外の屈強な選手相手にもフィジカルで引けを取りません。
組織だった守備が、まるでパズルのピースがハマるように完璧に機能している様子は、まさに一つの芸術品を観ているような美しさがあります。
元DFが教える「3つの観察ポイント」

ここで、私が観戦中にチェックしている、DFならではの「通」なポイントを3つ深掘りしてみます。
ポイント1:VAR時代の「ラインコントロール」という苦しみ
今のサッカー観戦で欠かせないのが「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)」です。
昔はDFが自分の判断で「エイ!」とラインを上げれば、審判の目視に頼る部分もありましたが、今はミリ単位の判定です。
一歩の足の出し遅れが、即座にオフサイドを破られる致命傷になる。
日本代表の谷口選手や板倉選手が、長身を活かして競り合いながらも、細心の注意を払ってラインを保つ姿。
さらに冨安選手の驚異的なスピードが加わった今の守備ラインは、まさに世界基準の安定感です。
ポイント2:「ボランチ」という言葉がなかった時代の私から見た、遠藤航選手の凄さ
実は、私が現役の頃には「ボランチ」という言葉すら一般的ではありませんでした。中盤(MF)の選手は、あくまで攻撃の起点となるゲームメーカーとしての役割が主でした。
しかし現代サッカー、特に遠藤航選手のようなボランチの役割は劇的に進化しました。中盤の底で、ドイツの巨漢選手を相手に「デュエル」で勝ち続ける。
彼らが中盤でしっかりと「掃除」をしてくれるからこそ、後ろのDF陣は落ち着いて守備組織を維持できるのです。
ポイント2:相手を逃がさない「細かいステップ」に注目
最近のDF選手の足元をよく見てみてください。ステップが本当に細かいんです!
相手のトリッキーな動きに一瞬で対応するために、細かく足を踏み替えてついていく。私たちの現役時代よりも、アジリティ(俊敏性)が格段に求められるようになっています。
失点シーンをスローで観ると、大抵はこのステップが乱れた隙に「裏を突かれて」いることが分かります。
【本音コラム】もし私が三笘選手とマッチアップしたら……?

今、世界を席巻している三笘薫選手のドリブル。
もし私が大学時代の現役バリバリの頃に彼と対峙していたら……と想像すると、夜も眠れなくなりそうです(笑)。
あんな理不尽なスピードとテクニックを一人で止めるのは、現代のトップDFでも不可能です。
もし私が対策を練るなら、「一人で解決しようと思わないこと」。
絶対に上体のフェイントにはかからず、じっと相手の「足元(ボール)」だけを見てプレッシャーをかける。そしてパスコースを消しながら、2人、3人と連動して追い込んでいく……。
「ボールを奪う」のではなく「相手の自由を奪う」。これこそが、DF経験者が教える最強の守備の極意です。
まとめ:サッカーは「不自由」を楽しむ大人のスポーツ
サッカーは、手を使えないという「不自由さ」をどう克服し、組織でゴールを守り抜くかという、非常に戦略的なスポーツです。
次の試合では、ぜひ一回だけでいいので、華やかなアタッカーの影で、必死にラインを上げ下げし、連動してカバーし合う「後ろの選手たち」の動きに注目してみてください。
そこには、テレビ画面には映りきらない、元DFの私が思わず叫んでしまうほどの「熱いドラマ」が隠れていますよ!

